大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(オ)168 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人訴訟代理人大隈四郎の上告理由第一、二点について。

原判決の確定するところによれば、上告会社は、昭和二〇年七月二日本件売買契

約を締結するに当つては、買主たる「上告会社としては、代金残額支払の資金獲得

のためには、自己の資金、金融界の情況、別けても臨時資金調整法等統制諸法規、

就中右法規における申請許可の手続に要する日数等を考慮し、昭和二〇年七月三一

日には本件代金残額を支払うことができると予想し」て右売買の履行期日を同年七

月三一日と確定的に約定したものであるというのである。しからば、仮りに、論旨

主張のような事情のために、上告会社の当初の予想に反して、上告会社として右期

日に代金の支払が不能になつたとしても、これを以て上告会社の責に帰すべからざ

る事由によつて履行不能となつたものということのできないことは勿論である。と

すれば、金銭債務に付いて、絶対にいわゆる「履行不能」があり得ないかどうかの

論はしばらく措いて、本件代金債務は、上告会社の責に帰すべからざる事由によつ

て、右期日にその履行が不能になつたことを理由とする上告会社の本訴請求を排斥

した原判決は正当であつて、論旨は理由がない。

同第三点について。

本件売買代金の授受につき所論のごとき債権者の協力を必要とするとの事実は上

告会社の原審において主張しないところであるのみならず、右のごとき点は、上告

会社がその主張のような履行不能に陥つたかどうかとは関係のない事柄である。尚、

原判決が本件履行期を認定するについては、当事者は金融調達に関する統制諸法規

を十分考慮した上で定めたものであるとしていることは原判文上明らかである。論

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旨は理由はない。

同第四点について。

原判決の事実摘示並びに原審における口頭弁論の結果によれば、上告人は、原審

に於ては、本件契約は、上告人一方の意思表示によつて解除されたとの従来の主張

を改めて、専ら合意解除を主張したことは明瞭である。従つて、所論一方的意思表

示による解除権の行使を前提とする本論旨は採用の限りでない。

よつて、民訴四〇一条、八九条、九五条を適用して主文のとおり判決する。

右は、全裁判官一致の意見である。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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